大きな力こぶを手に入れる!ダンベルカール?ハンマーカール?種目ごとの違いはなに?
こんにちは、カリスフィットトレーナーの山下 綾介です。
前回の女性の二の腕に引き続き、今度は男性の腕です。
男性の腕のトレーニングについては以前にも
この投稿にてアームカールを取り上げて書きましたが、
今回はさらにバージョンアップして腕のもう少し細かな筋肉やそれぞれを鍛えるトレーニングについて書いていきます。
力こぶを大きくするための筋肉
◇上腕二頭筋
◇上腕筋
力こぶの部分を見栄えあるようにするためにはこのふたつの筋肉が重要になってきます。
ではまずは恒例(?)の機能解剖学からいきましょう。
上腕二頭筋に関してはおさらいになります!
上腕二頭筋について
◇みんながいう力こぶはこの上腕二頭筋を指しています。
ここの筋肉の名前はトレーニングをこれから始めるくらいの人でも耳にしたことがある人もいますね。
上腕二頭筋は腕でも肩の方では2つの「頭」に分かれていますが、肘の肘の方では一つにまとまっています。
それぞれの頭の名称は「長頭」「短頭」というものになります。
「長頭」は上腕前面の外側に位置し、「短頭」は上腕前面は内側に位置しています。
◇上腕二頭筋の起始・停止
起始・停止とは筋肉のついている端っこ同士の場所のことで、
この起始と停止の距離が近づく状態が筋肉が縮んでいる(収縮)状態、
反対に遠く放されている状態が伸びている(伸展)状態です。
<起始>
長頭:肩甲骨関節上結節
短頭:烏口突起
<停止>
橈骨(とうこつ)、上腕二頭筋膜
長頭だけ肩の関節をまたいで、肩甲骨についています。
橈骨・・・前腕(肘と手首の間)の骨で、前腕部には親指側と小指側の2本の骨がありますが、親指側の骨
◇上腕二頭筋の機能
機能とは、その筋肉がどんな動きをするための役割をもっているかです。
・肘関節の屈曲
力こぶを出すときのような肘を曲げる動きです。この動きをすると筋肉がギュっと硬くなって力が入った状態になります。
この状態は上腕二頭筋が使われて筋肉が収縮している状態になっているからです。
・肩関節の屈曲
肩関節を屈曲するというのは腕をバンザイするときのように、前に腕を挙げていく動作になります。
上腕二頭筋の長頭が肩関節をまたいで肩甲骨へついているので、肩の関節の動きのときも働くようになっています。
・前腕の回外
回外(かいがい)とは言葉のように外へ回転する動きです。
今回で言うと回転するのは前腕の骨になります。
前ならえのように腕を前に伸ばしてみてください。今、親指が上側にありますよね。
そのまま手のひらが天井に向けてください。すると親指は今度、外に向きましたね。
この動きが「前腕の回外」です。この動きも力こぶを出す動きをしてみたときに、自然とその方向に少し腕をひねってませんか?
前ならえの状態から手のひらを下にする(回内)状態でやることは、まずないと思います。
ドライバーでネジをしめたり、ドアノブを回したりするときにもこういった動きが入ることがあります。
~長頭と短頭を鍛えることでの見た目の変化~
長頭・・・正面から見たときに腕の横幅が太くなる
短頭・・・力こぶの高さが高くなる
上腕筋について
今度は上腕筋という筋肉についてです。
この筋肉を知っている人はすでにトレーニングについて熱心に勉強したり、トレーニング中級者以上の人ではないでしょうか。
上腕骨では上腕でも下方、肘の周りに付着している筋肉です。
上腕筋は上腕二頭筋の深部に位置しているため、表面上はあまり見た目にわかるものではないですが、ここを鍛えることで上腕二頭筋の肘に近いあたりのところを
下から持ち上げるようにして腕を太くしてくれる部位です。
ではこの上腕筋の機能解剖についても紹介していきます。
◇上腕筋の起始・停止
<起始>
上腕骨前面で三角筋停止部の下方、内外側筋間中隔
<停止>
尺骨粗面、肘関節包
◇上腕筋の機能
・肘関節の屈曲
この筋肉も肘を曲げるときに上腕二頭筋と一緒に働きます。
トレーニング種目
さて、機能解剖学についてお話しましたので、ここからはトレーニング種目の紹介です。
腕を鍛える種目も様々ありますが、なにが上腕二頭筋のトレーニングでなにが上腕筋のトレーニングなのか。
それぞれのポイントや、メリット・デメリットなどを知りましょう!
◇バーベルカール
バーベルを用いて上腕二頭筋をメインでトレーニングする種目
手幅を広くとれば短頭、狭くとれば長頭が使われやすい。
<動作のポイント>
・横から見たときにバーが大きな弧を描くような軌道になるように動作する
・肘の位置をしっかりと固定しておくこと。肘が前や後ろに動いてしまうと負荷がかかりにくくなってしまう。
・バーを上げ切ろうとすることで、さらに手首まで巻き込んでしまうと肘が動いてしまうので注意
<トレーニング動作>
①バーベルを下から支えるように持ち、足を肩幅くらいに開いて立ち、膝を軽くだけ曲げる(緩める)。
②腰を反らないよう気を付けて、気持ち前傾姿勢をとっておく。
③肘が動かないようにしながら、肘を曲げてウエイトを持ち上げていく。
④ウエイトをおろしたときは、肘は完全には伸ばし切らずに、少し曲げて止まる。
◇EZバーカール
EZバーを用いて上腕二頭筋をトレーニングする種目
手幅を広くとれば短頭、狭くとれば長頭が使われやすい。EZバーの場合はそもそも回外が行ないにくいので狭くして長頭の方を狙うのがオススメです。
基本的にはバーベルカールと同じですが、バーの湾曲により、最大収縮はできなくなりますが、手首の負荷が少ないことが特徴です。
<動作のポイント>
・横から見たときにバーが大きな弧を描くような軌道になるように動作する
・肘の位置をしっかりと固定しておくこと。肘が前や後ろに動いてしまうと負荷がかかりにくくなってしまう。
・バーを上げ切ろうとすることで、さらに手首まで巻き込んでしまうと肘が動いてしまうので注意
<トレーニング動作>
①バーベルを下から支えるように持ち、足を肩幅くらいに開いて立ち、膝を軽くだけ曲げる(緩める)。
②腰を反らないよう気を付けて、気持ち前傾姿勢をとっておく。
③肘が動かないようにしながら、肘を曲げてウエイトを持ち上げていく。
④ウエイトをおろしたときは、肘は完全には伸ばし切らずに、少し曲げて止まる。
◇ダンベルカール
ダンベルを用いて上腕二頭筋をトレーニングする種目
ダンベル行なうと、バーベルとは違いウエイトが身体にあたってしまわないので、座った姿勢でも行なうことができます。
座った姿勢で行なうメリットとして、反動がつきにくくなります。
<動作のポイント>
・肘の位置をしっかりと固定しておくこと。肘が前や後ろに動いてしまうと負荷がかかりにくくなってしまう。
・ダンベルを上げるときに腰を反らさない。
<トレーニング動作>
①ダンベルを両手に下から支えるように持ち、軽く足を開いてフラットベンチに座る。
②肘が動かないようにしながら、肘を曲げてウエイトを持ち上げていく。
③上げ切ったところで軽く腕を回外させる。(長頭を狙う場合はあまり回外させない)
④ウエイトをおろしたときは、肘は完全には伸ばし切らずに、少し曲げて止まる。
◇オルタネイトダンベルカール
ダンベルを用いて上腕二頭筋をトレーニングする種目
この種目はダンベルカールを片手ずつ交互に持ち上げる種目です。
それによって得られるメリットは
・片手ずつ行うので筋肉へ意識がしやすい。
・腰が反りにくくなる
一方でのデメリットとしては、
・動作していない片方の腕に休む時間ができてしまう
<動作のポイント>
・肘の位置をしっかりと固定しておくこと。肘が前や後ろに動いてしまうと負荷がかかりにくくなってしまう。
・ダンベルを上げるときに腰を反らさない。
<トレーニング動作>
①ダンベルを両手に下から支えるように持ち、軽く足を開いてフラットベンチに座る。
②肘が動かないようにしながら、片方の肘を曲げてウエイトを持ち上げていく。
③上げ切ったところで軽く腕を回外させる。(長頭を狙う場合はあまり回外させない)
④おろしている腕と上げている腕を入れ替えていくように上げ下ろしを行なう。
⑤ウエイトをおろしたときは、肘は完全には伸ばし切らずに、少し曲げて止まる。
◇インクラインダンベルカール
ダンベルを用いて上腕二頭筋をトレーニングする種目
インクラインダンベルカールではインクラインベンチ(背もたれの角度が変えられるベンチ)を使用します。
スタートの段階で肘の位置が身体よりも大きく後ろに引いた状態で負荷がかかるストレッチ種目で、筋肥大効果が高いです。
<動作のポイント>
・ダンベルをおろすときにしっかりと二頭筋のストレッチを感じるところまでしっかりとおろすこと
<トレーニング動作>
①ダンベルを両手に下から支えるように持ち、軽く足を開いてインクラインベンチに持たれる
②肘が動かないようにしながら、肘を曲げてウエイトを持ち上げていく。
③上げ切ったところで軽く腕を回外させる。(長頭を狙う場合はあまり回外させない)
④ウエイトをおろしたときは、肘は完全には伸ばし切らないが、ストレッチを感じるところまではおろす
◇ケーブルアームカール
ケーブルマシンを用いて上腕二頭筋をトレーニングする種目
ケーブルマシンの特徴である、負荷が抜けにくいということを活かして、最大限大きく動作をしやすいです。
とくに一番肘を曲げた最大収縮位でも負荷が抜けにくいので、しっかりと筋肉を使い切ることができます。
そういった面で、上腕二頭筋の仕上げとして取り入れる人が多いように思います。
ケーブルのアタッチメント(グリップ部分)は取りかえれるため、どんなものにするかにもよりますが、一般的なものだとストレート状の短いバーであることがおおいです。よって、手幅は自然と狭くなります。
<動作のポイント>
・ケーブルに引っ張られ、肘の位置が動きやすいので注意する
・腰が反りやすいためしっかりと上体をまっすぐにしておくように意識する
<トレーニング動作>
①アタッチメント(グリップ部分)を両手で下から支えるように持ち、軽く足を肩幅程度にして立つ。
②肘が動かないようにしながら、肘を曲げてウエイトを持ち上げていく。
③上げ切ったところでしっかりと停止する。
④ウエイトをおろしたときは、肘は完全には伸ばし切らない。
◇リバースカール
バーベルを用いて上腕筋をトレーニングする種目
リバースカールは動作そのものはバーベルカールと同じようになりますが、グリップが真逆になり、オーバーハンドグリップ(バーを上から持ち、支えるグリップ)でのトレーニングになります。
その理由としては、オーバーハンドグリップでは前腕が回内(回外と反対で前腕をうちに捻る動作)になるため、上腕二頭筋の働きが弱まります。
その状態で肘の曲げ伸ばしを行なうことで上腕筋への負荷を高めることができます。
<動作のポイント>
・横から見たときにバーが大きな弧を描くような軌道になるように動作する
・肘の位置をしっかりと固定しておくこと。肘が前や後ろに動いてしまうと負荷がかかりにくくなってしまう。
・バーを上げ切ろうとすることで、さらに手首まで巻き込んでしまうと肘が動いてしまうので注意
<トレーニング動作>
①バーベルを上からつかむように持ち、足を肩幅くらいに開いて立ち、膝を軽くだけ曲げる(緩める)。
②腰を反らないよう気を付けて、気持ち前傾姿勢をとっておく。
③肘が動かないようにしながら、肘を曲げてウエイトを持ち上げていく。
④ウエイトをおろしたときは、肘は完全には伸ばし切らずに、少し曲げて止まる。
◇ハンマーカール
ダンベルを用いて上腕筋を鍛えるトレーニング
ハンマーカールはダンベルアームカールの動作と同じですが、手のひらの向きがかわります。
腕をおろして構えた時に親指が前を向くようにダンベルを持ち、腕をひねらずそのまま親指が上になるようにしてあげます。
これにより、前腕の回外の動作がなくなり上腕二頭筋の作用が弱くなり上腕筋を鍛えることができます。
また前腕部分の腕橈骨筋という筋肉も鍛えれるため、前腕を太くしたい人にも有効となります。
<動作のポイント>
・肘の位置をしっかりと固定しておくこと。肘が前や後ろに動いてしまうと負荷がかかりにくくなってしまう。
・ダンベルを上げるときに腰を反らさない。(片手ずつ行なうと腰が反りにくい)
<トレーニング動作>
①ダンベルを両手に持ち身体の横で親指が前になるようにする。足は肩幅程度に開いて立つ。
②肘が動かないようにしながら、肘を曲げてウエイトを持ち上げていく。
③上げるときは腕をひねらないようにしておく。
④ウエイトをおろしたときは、肘は完全には伸ばし切らずに、少し曲げて止まる。
最後に
今回は男性が筋肉をつけたい部位、女性が男性らしさを感じる部位でも上位に入ってくるであろう、腕の筋肉、
特にぱっと見で目がつく力こぶの部分である上腕二頭筋の部分や上腕筋のトレーニング種目の紹介をしていきました。
腕のトレーニング方法を知っている人、実際にやってる人を真似してやっている人もいると思いますが、それぞれの特徴やポイントを押さえておくことで、
自分が理想とする腕ができてきます!
トレーニング方法やポイントをお伝えしましたが、最終的に細かいトレーニング方法などや実際に指導を受けたりできる人に教えてもらうのがベストです。
自己流でやる場合もなるべく鏡を利用して自分のフォームをチェックしていきましょう。
ぜひ今回の内容を参考にしてかっこいい力こぶを手に入れてください!
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