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その肩の痛み、「上腕二頭筋」が原因かも?

姿勢・痛み

こんにちは、カリスフィットトレーナーの山下 綾介です。

 

「肩が痛い」
肩を揉んだり、ストレッチしてもなかなか良くならない。
なんてこと経験はありますか?その場合、原因は肩ではないかもしれませんよ。

痛い部分=悪い分ではありません。
その周りの筋肉が影響していることも多々あります。

今回は肩回りに付着していて、その痛みの原因の可能性がある「上腕二頭筋」のケガについてご紹介していきます。

 

上腕二頭筋の基本は過去の投稿でもご紹介しましたが、本日の内容を理解しやすいように改めて投稿内容を転載します。

上腕二頭筋について
まずトレーニングする前に、そこがどんな筋肉か知っておくと
より効果的になりますので、まずはそこからチェックしていきましょう。

上腕二頭筋はいわゆる「力こぶ」のことですが、
ここが鍛えられている人は、男らしさや筋肉質な身体の象徴にもなっている部分ですね。

まず上腕二頭筋という名前のとおり、上腕位にある筋肉で二つの「頭」があります。
ひとつの筋肉ですが、二つに枝分かれしている状態です。
これは「長頭」「短頭」というものになります。

上腕二頭筋の起始・停止
起始・停止とは筋肉のついている端っこ同士の場所のことで、
この起始と停止の距離が近づく状態が筋肉が縮んでいる(収縮)状態、
反対に遠く放されている状態が伸びている(伸展)状態です。

<起始>
長頭:肩甲骨関節上結節
短頭:烏口突起

<停止>
橈骨(とうこつ)、上腕二頭筋膜

このあたりは難しい話ですが、大切なポイントです。

簡単に言うと、
長頭だけ肩の関節をまたいで、肩甲骨についています。

停止部の橈骨とは前腕(肘と手首の間)の骨で、
前腕部には親指側と小指側の2本の骨がありますが、親指側の骨のことです。

ここを抑えないと次のステップの理解が薄くなってしまいます。

上腕二頭筋の機能
機能とは、その筋肉がどんな動きをするための役割をもっているかです。

・肘関節の屈曲
これは肘を曲げることですが、力こぶを出して!って言われると
大抵の人は腕を曲げませんか?この動きのことです。
そしてこの動きをすると筋肉がギュっと硬くなって力が入った状態になりませんか?
この状態が上腕二頭筋が収縮しているということです。

・肩関節の屈曲
先ほどの「肘を曲げる」動きはイメージできる方が多いと思いますが、
こちらはあまり「??」という感じになるかとおもいますが、
肩関節を屈曲する、つまり、腕をバンザイするときのように前に挙げていくうごきです。
これは起始・停止のお話しのときにあった、
上腕二頭筋の長頭が肩関節をまたいで肩甲骨へついているので、
こういった動きのときも働くようになっています。

・前腕の回外
これも聞きなれない言葉ですよね。
回外(かいがい)とは言葉のように外へ回転する動きです。
今回で言うと回転するのは前腕の骨になります。

前ならえのように腕を前に伸ばしてみてください。今、親指が上側にありますよね。

そのまま手のひらが天井に向けてください。すると親指は今度、外に向きましたね。

この動きが「前腕の回外」です。
この動きも力こぶを出す動きをしてみたときに、自然とその方向に少し腕をひねってませんか?
前ならえの状態から手のひらを下にする(回内)状態でやることは、まずないと思います。
(ボディビルのポージングくらいでしかやっている人を見たことありません)

 

 

上腕二頭筋腱断裂

◆症状

上腕二頭筋は、いわゆる力こぶを作る筋肉で、上端が2つに分かれています。分かれた外側は長頭と呼ばれ、その長い腱(長頭腱)は肩関節のなかをとおって肩甲骨関節窩(肩関節の受け皿)の上に付きます。
もう一方の内側の頭は短頭と呼ばれます。下端は、太い1本の腱になっていて橈骨(とうこつ)という骨(前腕の親指側の骨)に付いています。

上腕二頭筋のはたらきは、主に肘関節を曲げることと前腕の回外(手のひらを上に向けるように捻る運動)です。

上端の断裂は長頭の腱に生じますが、完全断裂と腱の一部だけが切れる部分断裂(筋損傷とも呼ぶ)に分けられます。
また筋肉の膜が断裂していた場合は「筋膜断裂」といいます。
総称して「筋断裂」といいますが、なじみの言葉で言うと「肉離れ」というほうがわかりやすいでしょうか。

 

長頭腱の断裂では、肩の前方に痛みが発生します。肘を曲げて重い物を持ったり、手のひらを力いっぱい上に向けたりすると痛みが増します。またちょっとした衝撃でも強く響いてくることもあります。
処置や安静により数日たつと痛みは薄れますが、力こぶの前面の皮膚に出血による青あざが出ます。

 

下端での腱断裂は、バキッという音とともに肘の前面に強い痛みが現れます。
痛みにより、肘の動きと手のひらを上に向ける動きをすることは難しいでしょう。

 

◆原因

加齢とともに、肩関節の部分で長頭腱の上面を包んでいる腱板が自然に断裂します。
長頭腱の断裂の大部分は、この腱板の断裂に伴って長頭腱が徐々に摩耗され、何でもない日常生活中に生じます。

一方、どの年齢層でも腱板断裂を伴わない長頭腱断裂が生じます。肉体労働やスポーツなどで上腕を使用した際、急に力を入れた時にブチッという音とともに断裂します。

下端の腱断裂は中・高年の男性肉体労働者に多く、下から重い物を急に持ち上げる時や、高い所からの荷崩れを支えようとした時などに生じます。

 

 

~上腕二頭筋断裂を起こしやすい行動~

・思いっきりなにかを引く動作
・重いものを持ち上げる
・肩や肘まわりに負荷がかかるようなスポーツを行なう

野球やバレーボールのように腕を高く上げて動かす、オーバーヘッドスポーツや、
テニスなども肩、腕まわりをよく使いますので注意が必要です。

◆診断

長頭腱の完全断裂では、力こぶをつくると筋が下端のほうに移動して肘関節のすぐ上に半球状に膨らみますので、簡単に診断されます。

部分断裂は症状がわかりにくく、外来でできる検査でも診断ができず、関節のなかに細いのぞき棒を入れての検査が必要になることがあります。
下端の腱断裂は、発生した状況や特徴的な症状から診断することができますが、しっかりと詳細を把握するためにはMRIが必要になってきます。

◆治療法

長頭腱の完全断裂は、それ自体ではとくに日常生活に支障がないので、高齢者の場合は、痛みがとれるまで比較的安静を守るようにしましょう。
しかし、上腕二頭筋に命令を伝えている神経が引っ張られて肘の外側から前腕の親指側に痛みを起こした場合には、手術が必要になります。

長頭腱が断裂しても肘を曲げる力は保たれますが、手のひらを上に向ける力が弱くなるので、若い人や肉体労働者が必要な人では断裂した腱を上腕骨の上端に固定する手術がすすめられます。

◆応急処置

長頭腱断裂では、とくに痛みが強ければ三角巾(風呂敷などで三角形に折ったものでも可能)で腕を吊り安静にします。
痛みが少なければ、とくに何もしません。

下端の腱断裂では、三角巾で腕を吊り肘の部分を氷などで冷やして、正確な判断をするためにもできるだけ早く整形外科を受診してください。

 

 

上腕二頭筋長頭腱炎

◆症状

上腕二頭筋長頭腱炎は肩が痛みで動かすことができなくなるので、五十肩と勘違いしてしまうこともあります。
しかし五十肩はじわじわと時間をかけてなるもので、突然腕が上がらなくなることはありません。
腕を曲げるような動きや、肘を後ろに引いたり、腕を上げるような動きで痛みが出てきます。

 

 

◆原因

上腕二頭筋長頭腱が結節間溝という、肩の骨のくぼみで負荷によって起こった炎症や、腱の断裂が原因です。
スポーツなどが引き金になることも多いです。

・急に腕が全方向に上がらなくなった
・肩の前に触れるとピンポイントの痛みがある
・肘を曲げると、二の腕の力こぶの形が短い

重量物を扱ったり、スポーツを行なったことをきっかけにこれらに該当すると、上腕二頭筋長頭腱炎の可能性が高いです。
腱の完全断裂の場合は力こぶを作った時に、健康な腕の力こぶと比べて長さが短くなり、肘の近くでこぶになり明らかに形が違うので判別が簡単です。

◆診断

上腕二頭筋長頭腱炎かどうかを調べる方法は2つあります。どちらも腕の動きに抵抗を加えて痛みが出るかどうかを調べる検査です。

「スピードテスト」
①立った状態で痛みのある側の腕は真っ直ぐに下ろします。このとき肘は伸ばしておきます。
②そのまま親指が外を向くようにして手のひらを前に向けてください。もう1人の人がその伸ばした腕を後ろに強く引っ張ります。
③これに対抗して前に強く上げようと動作して、その時に肩の前面に痛みが出ると陽性となります。

 

ヤーガソンテスト
①座った状態でもしくは立った状態で 痛みのある側の手を真っ直ぐに体に付けます。
②この状態から肘は体に付け、肘を90度に曲げて手のひらを下に向けます。
③もう1人の人が手のひらを下向きになるように内側へ強く捻るように力をいれます。これに抵抗して力を入れたときに肩の前面に痛みが出るようであれば上腕二頭筋長頭腱炎の可能性があります。

 

また、これらの検査法以外にもチェックすることはできます。
上腕二頭筋長頭腱がある肩の前面部分 を指で押しながら上腕を内、外に捻ったときに痛みを感じるかどうかでもチェックできます。

◆治療法

上腕二頭筋長頭腱炎の治療には、保存療法が基本になります。
特に初期段階では冷却し安静にすることが必要になってきます。このときは腕は三角巾などでで吊っておくと痛みが軽減されます。
上腕二頭筋長頭腱炎は強い痛みがでることがありますが、手術にまでなるケースは少ないです。
手術は腱の完全断裂が肩付近ではなく、肘付近で起こった際に行うことが多いです。
しかしそもそもが肘付近での断裂自体が少ないため手術になることはあまりないケースです。
完全断裂した腱は縮んだ状態から伸びて治ることはなく、縮んだ状態で回復します。
そのため見た目には問題がでてしまいます。しかし機能的には上腕二頭筋には長頭と短頭があるため、長頭をケガしても短頭が支えてくれます。

~注意~
冷却(アイシング)は一般の方ではアイシングバックを持っていることは少ないので、冷たいシップを貼ることも多いとおもいますが、
冷感シップはその薬剤の効果で「冷たく感じる」のであってアイシング効果は期待できません。
炎症を抑えるために冷やすのであれば、袋にいれた氷でアイシングバックをつくったり、保冷剤を使用するなどして冷やしましょう。
また、それらを直接肌にあてることは凍傷につながります。かならず薄手のタオルなどを間に挟んで使用しましょう。

◆回復後

炎症が治まってきたときに、炎症後の上腕二頭筋は筋肉が固くなり動きが悪くなっています。また筋肉を使わないことで筋力も落ちてしまいます。
それを改善させるために、ストレッチや筋力強化を本格的に実施していきます。
炎症がしっかりと落ち着いていること、痛みがないことを確認しストレッチやトレーニングを開始するタイミングさえ間違えなければ、
筋肉を伸ばしたり縮めたりして刺激を加えたとしても、痛みを誘発することなく改善させていくことは十分可能です。

ストレッチでは、ペアストレッチのような他動的な静的なストレッチを前腕外側へ回した状態での肩関節を後ろに引くことで行なったり、
前腕回外位にて肩関節伸展最終域から屈曲最終域までの全可動域をしっかり使った自動運動も効果的です。

 

最後に

上腕二頭筋のケガはスポーツ選手に限らずだれにだも起こりうる可能性があります。
久々にやる運動で準備運動が不足していたり、急に重いものをもったりと強い負荷をいきなりかけることは避けるようにしましょう。

上腕二頭筋といえば力こぶですが、もし肩の前側が痛いときに思い当たることをやってみて良くならないようであれば
上腕二頭筋のケアをぜひやってみてください。

 

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