腕立て伏せで「力こぶ」は大きくなるのか!?上腕二頭筋の正しい鍛え方

体育の授業や部活動などで「腕立て伏せ」をやった経験は誰にでもあるでしょう。腕という文字が入っているため、力こぶと呼ばれる上腕二頭筋を鍛える効果があると誤解されることが多いのですが、実は腕立て伏せには、上腕二頭筋を鍛える効果はほとんどありません。
それでは、腕立て伏せでは、どの筋肉が鍛えられるのか? 上腕二頭筋を鍛えるにはどのようなトレーニングを行えば良いのか? 上腕二頭筋を鍛えたいあなたへ効果的なトレーニング法をご紹介します!
1.プッシュアップとは?
「プッシュアップ」とは端的にいえば「腕立て伏せ」のことです。トレーニングの名前に「腕」とついているため、上腕二頭筋を鍛えると誤解されることが多いのですが、実は、プッシュアップでターゲットとなる筋肉は、胸の前面にある「大胸筋」という大きな筋肉です。
大胸筋は胸板とも呼ばれ、厚い胸板は服を着ていても、大きさがわかりやすく、目につきやすいため、女性からみると男らしさや力強さ、頼もしさ、といった好印象を受けるようです。
また、プッシュアップでは、肩を覆う「三角筋」を鍛えることができます。三角筋が大きく盛り上がることで、肩幅が広くなり、スーツやジャケットを魅力的に着こなすこともできるでしょう。
そのほかにも、プッシュアップには、体幹(胴体の部分)を構成する「腹直筋」や「外腹斜筋」を鍛える効果があり、メリハリのあるナイスボディを手に入れることもできます。
また、意外にも、プッシュアップは男性だけでなく、女性にもメリットがあります。プッシュアップは上腕の裏側にある「上腕三頭筋」にも作用するため、いわゆる「振袖」(ふりそで)と呼ばれる、二の腕の下のたるみを引き締める効果があるため、女性にもおすすめなトレーニングなのです。
2.プッシュアップの正しいトレーニング法 (ノーマルプッシュアップ)
プッシュアップの動作は、いたってシンプルなのですが、きちんとしたフォームでできている人は以外に少ないようです。次のようなステップで正しいトレーニング法を身につけていきましょう!
① うつ伏せになり、手幅は肩幅くらいか、肩幅よりやや広めにつきます。足はそろえるか、少し開きます。このとき、お尻が下に落ちたり、上がったりしないように、身体の軸が一直線になるようにします。
② ひじの関節を曲げ、胸を床に近づけます。あごが床につくぐらいまで、ゆっくりと深く下ろし、そのまま持ち上げます。
【NGポーズ①】 プッシュアップは、腕の下ろし方が浅いと可動域が狭くなり、十分な効果が得られません。
【NGポーズ②】 プッシュアップは、お尻が下がると可動域が狭くなり、トレーニングの効果が低下します。できる限り身体が直線になるように意識しましょう。
【動画でチェック!】ここまでの動作を動画で確認してみましょう!
2-1.プッシュアップのバリエーション(1) ひざを床につけて行うやり方
プッシュアップはひざを床につけて行うと負荷を軽減してトレーニングができます。初心者の方や筋力が弱い人など、ノーマルプッシュアップができない場合は、こちらの方法でトレーニングしてみましょう。
① スタート時点でひざを床につけて、うつ伏せになります。
② ひざから上の部分を一直線にキープしたまま、アゴが床につくくらいまでゆっくりと深く下ろします。
③ 上体をスタートポジション(①)に戻します。
2-2.プッシュアップのバリエーション(2) 四つん這いで行うやり方
四つん這いの体勢で行うと、ひざをつけて行う方法よりも負荷が軽減できます。高齢者の方など筋力が弱い人にとっては、特に有効なバリエーションといえます。
① ひざをつけて行う場合よりも、ひざの位置をさらに前にして、腰を立たせます。
② アゴが床につくくらいまで深く下ろします。
③ 上体を上に持ち上げ、スタートポジション(①)に戻します。
この動作を繰り返します。
2-3.上級者向けのトレーニング法 (プッシュアップバーの使用)
筋トレの上級者の方や、より負荷を多くしてトレーニングしたい場合は、「プッシュアップバー」という器具を使う方法もあります。
プッシュアップバーを使用することで、床に直接手をつくやり方よりも、胸やアゴ、上体の位置を低く沈めるすることができ、大胸筋や三角筋などへの負荷を強くしてトレーニングの効果を上げることができます。
3.プッシュアップの効果とは?
プッシュアップを継続して行うことで、次のような効果が期待できます。
- 大胸筋や三角筋など上半身の筋力が強化できます。
- 体幹が鍛えられ、体型の引き締め(ボディシェイプ)ができます。
- 大胸筋や三角筋は、人の筋肉の中でも大きな筋肉のため、鍛えることで基礎代謝が上がります。
- 女性の場合、大胸筋を鍛えることでバストアップやバストのたるみの予防につながります。
- 女性の冷え症を改善します。(女性は男性に比べて筋肉量が少なく、熱を作り出しにくいため、冷えが起こりやすいといえます。筋肉を鍛え代謝を上げることで冷え性の改善につながります。)
4.プッシュアップを行う際のポイント
- すべてのバリエーションにおいて、できる限り、身体を一直線にキープしましょう。お尻が落ちると可動域(動かせる範囲)が狭くなり、トレーニングの効果が減少します。
- 上体の下ろし方が浅いと、可動域が狭くなり、効果があがりません。例えば、ノーマルプッシュアップ(基本的なやり方)で、上体を深く下ろせない場合は、無理をせず、ひざをつけたり、四つん這いでのバリエーションに変え、負荷を軽減してトレーニングすることをおすすめします。
5.上腕二頭筋を鍛えるトレーニング
上腕二頭筋を鍛えたい場合は、ひじの関節を屈曲する(曲げる)動作でのトレーニングが効果的です。次のようなトレーニングをおすすめします。
5-1.ダンベルカール
ダンベルカールは、ダンベル(という器具)を使い、両手に持ったダンベルをひじを曲げて上に持ち上げることで、上腕二頭筋を重点的にに鍛えるトレーニングです。力こぶを大きく見せたい(あるいは腕をスリムにしたい)あなたにぴったりのトレーニングです。
5-2.バーベルカール
バーベルカールは、バーベルを両手で持ち、ひじを曲げる動作によって、上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋などの腕の筋肉を重点的に鍛えることができます。バーの重さを自由に調節できるため、初心者から上級者まですべての人に最適な負荷をかけ、トレーニングすることができます。
5-3.ハンマーカール
ハンマーカールは、ダンベルカールの種目の一つで、上腕筋や腕橈骨筋鍛えるトレーニングです。ダンベルカールは基本的に手のひらを上に向けた上体でトレーニングを行いますが、ハンマーカールでは、両手のひらを内側に向けて、手首を立てた上体でトレーニングを行います。
上腕二頭筋の筋力を集中的に鍛える場合はダンベルカール、上腕二頭筋だけでなく、上腕筋や腕橈骨筋など、腕の筋肉をバランスよく鍛えたい場合は、ハンマーカールがおすすめです。
5-4.アームカール
上腕二頭筋を鍛えるには、「アームカール」というマシンを使う方法もあります。動作としてはダンベルカールに似ていますが、マシンに座ってトレーニングできるため、フォームが固定され、身体を安定させてトレーニングできるため、上腕二頭筋などの鍛えたい筋肉にしっかりと負荷がかかるため、高い効果が得られます。
最後に……思い立ったが吉日!今日から筋トレを始めてみませんか?
プッシュアップは、特別な器具を使用しなくても、いつでもどこでも、できるトレーニングの定番といえます。
こうした手軽にできるトレーニングは、「CMエクササイズ」とも呼ばれます。CMエクササイズとはテレビ番組のコマーシャルの間のたった30秒でもできるエクササイズという意味です。1時間の番組ではCMが6分程度流れます。この時間を活用すれば、好きなテレビ番組を見ながら、理想のボディメイクができるというわけです。連ドラやお昼の番組など、毎日同じ時間に観る番組に合わせてトレーニングすれば効果はてきめんです。
また、プッシュアップは、簡単な動作ですが、毎日こまめに継続することで誰でも筋肉を鍛えることができます。日ごろからすき間時間を利用して、身体を動かす習慣が身につくことで、より積極的な筋力トレーニングにチャレンジするきっかけにもなるはずです。
「思い立ったが吉日」ということわざがあります。何かを始めようと思ったときは、その日が吉日と思い、すぐに始めると良いという格言です。上腕二頭筋に興味を持ったあなたの今日がその吉日となるように、さっそく今日からトレーニングを始めてみてはいかがでしょう!
私たちパーソナルトレーナーにご相談いただければ、全力であなたの筋肉トレをサポートいたします!
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