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アームカールで手首が痛む。その対策とは?

姿勢・痛み

こんにちは、カリスフィットトレーナーの山下綾介です。

前回の投稿でアームカールについて書きました。

Tシャツからはみ出るカッコイイ腕をゲットするアームカールの重量・回数の設定

 

その中の一部で触れた手首の痛みというのが、結構多くのトレーニングする方を悩ませています。

今回はそこを掘り下げていきたいと思います。

 

手首の痛みの原因はなにか?

もともとアームカールが原因でというわけではないかもしれませんが

手首まわりの使い過ぎによる「腱鞘炎(けんしょうえん)」の可能性があります。

 

「腱鞘炎とは」

指を動かすときに重要な役割がある、腱鞘(腱の外側を鞘のように包んでいる組織)が炎症を起こして、

指や手首のまわりに痛みがでる症状です。

 

腱は指の曲げ伸ばしなどで腱鞘の中を滑走しますが、使いすぎていると腱と腱鞘との間で摩擦が生じます。

それによって腱鞘が炎症を起こすと、腱鞘がはれ上がってしまい腱がスムーズに動かなくなってしまいます。

親指を伸ばす伸筋腱でおきる「ドゥケルバン腱鞘炎」や曲げた指が伸びにくくなる「ばね指」などもここに含まれてきます。

 

「ドゥ・ケルバン腱鞘炎」

親指の付け根あたりに痛みが出ます。

じゃんけんのグーのように指を握り親指をほかの指で握りこむようにします。

その状態で手首を小指側に傾けたときに親指の付け根に痛みがでるかどうかでチェックができます。

 

「ばね指」

これもじゃんけんのグーのように握って手を開いたときに

症状が出ている指は遅れて開いてきます。

 

腱鞘炎は一度なると再発もしやすいです。

実際日常生活でも手指や手首まわりを使わないで生活するのは不可能です。

近年ではスマホの普及やどんな職種でもパソコンを使用する機会が多いですので、避けては通れない部分ですね。

お客様の中でも美容師さんはハサミの開閉などで手指を酷使することが多いので腱鞘炎の症状が出る、

もしくは過去に出ているという方がいますね。

 

ほかに考えられるものとしては

「TFCC損傷」というものがあります。

 

「TFCC損傷とは」

TFCCとは日本語で言うと「三角繊維軟骨複合体」という名前で、

小指側の手首付近に痛みがでます。

とくに手首を捻ったり、小指側に手のひらを倒したりするときに痛みが出やすいです。

 

TFCC損傷は転倒した時に手をついたりなど、一気に強い負荷がかかって痛める場合と、

小さい力だけれど、繰り返しの負担で徐々に痛めていく場合があります。

 

 

 

トレーニングで痛めるケースと痛めたときの処置

筋トレで痛めやすいのは高重量などを扱っていて手首がそれを支えれなくなってしまうケースです。

手首が返りすぎて、関節に直接負荷がかかったり、

反対に支えるために力が入り酷使してしまうことがあります。

 

 

<痛めたときの対処>

もしトレーニングをして痛くなった場合は、まずはすぐにトレーニングを中断しましょう。

半端だしもう少しだからと続けて治りが遅くなると余計にトレーニングができなくなってしまいます。

 

以下が外傷があったときの対処法で、「RICE(ライス)処置」といいます。

 

R・・・Rest(安静)

安静にすることで、腫れやそれ以上の損傷を防ぐことが目的になります。

損傷してしまった部位を動かしてしまうと炎症が悪化し腫れや痛みがひどくなってしまうことや

その後の回復が長引いてしまうことがあります。

 

I・・・Ice(冷却)

患部をアイスバッグなどで冷却をします。

袋の中に氷を入れたものや、保冷剤などでも対応できます。

冷やすことで、血管を収縮させます。それによって炎症が進んでしまわないようにします。

ただ注意しないといけないのは冷やしすぎによる「凍傷」です。

患部に直接あてるのではなく、タオル(厚手すぎないもの)などをあてて、その上から冷やすようにしましょう。

15分~20分程度冷やして患部の感覚がなくなるくらいがよいです。

 

C・・・Compression(圧迫)

患部をテーピングなどで圧迫し腫れを抑えます。

しかしテーピングは個人でおこなうには難しいとは思いますが、

痛めがちな方は覚えておいてもいいでしょう。

きつく締めてうっ血してしまわないように気を付けてください。

 

E・・・Elevation(挙上)

患部が心臓より引くなるほど血流の圧力によって腫れや痛みがひどくなってしまうので、

なるべく横たわったり、台の上に腕を乗っけるようにするなど、患部の位置を

心臓よりも高い位置に置くようにしましょう。

 

 

一次的な処置はこういった「RICE処置」で対応ができます。

その後は医療機関などで適切な診断をしてもらいましょう。

 

 

手首を保護するトレーニングギア

手首の弱い人は故障を気にしてしっかり負荷をかけることはあきらめないといけないのか?

そんなことはありません。

 

トレーニングするときに手首を保護してくれる、「リストラップ」というものがあります。

ちなみに名前がよく似た、「リストストラップ」という握力を補助するトレーニングギアもありますが、

用途が全く別物になります。

 

リストラップは手首にぐるっと巻き付けるもので、締め付けの強いリストバンドのようなものです。

伸縮性のあるタイプや、あまり伸縮がなくガッチリ固定するものまであります。

これを手首の関節にかかるように巻くことで、手首の可動域を制限します。

それによって重さに負けて手首が曲がってしまうリスクが減ります。

 

それに手首が返ると高重量も扱いにくいですが、

良い位置で固定できるので、重量を扱ったときにも力が入りやすいと思います。

リストラップはアームカールのときはもちろん、

ベンチプレスやショルダープレスなどの「押す」種目で効果を発揮します。

反対に「ラットプルダウン」や「デッドリフト」などの「引く」種目では効果がありません。

 

予防や痛めてしまった後に行ないたいケア

手指や手首はよく使う部分であってもケアをされることは少ないです。

そもそも何をやったらいいのかわからないという方も多いと思います。

日々、酷使している部分はその日その日でケアをしてあげましょう。

 

「腱鞘炎」の予防・痛めたあとのケア

◇手首まわりのストレッチ

1.一方の手を前に伸ばします。手のひらを上に向けておきましょう。

2.もう一方の手で、前に出した手の指先を持って、手のひらを反らすように手前に引きましょう。

 

全ての指を同時にはやりにくいと思いますので、「親指だけ」と「親指以外」に分けてやってみましょう。

これで手首のあたりや、手のひら側の前腕部(肘と手首の間)のところにストレッチされている感覚があればオッケーです。

 

またこれを手のひらを地面に向けた状態で手を前に伸ばして、今度は逆側の指を丸める方向もやりましょう。

今度は手の甲側の前腕部にストレッチされている感覚があればオッケーです!

 

◇手のひらのマッサージ

自分の手のひらを見てみてください。

親指の付け根の手首寄りのところってちょっと肉厚感がないでしょうか?

そこも親指を動かす筋肉があるところです。

 

そこを反対の指でマッサージしてあげましょう。

まだ症状も初期だと結構このくらいでも楽になったりします。

同じように小指側も少しふっくらとしているところがありますよね。

そこもまた同じようにマッサージをしてみてください。

 

おススメのやり方は道具が必要ですが、「ゴルフボール」を床に置いて、先ほどのマッサージする部分をあてます。

そうしたら軽くゴルフボールのあるところに体重をかけます(やりすぎると痛いので注意です。)

あとはコロコロとボールを転がしてマッサージします。

結構しっかりほぐせるのと、マッサージする側の手が疲れないのでおススメです。

一応他の固めのボールでも代用できますが、ゴルフボールくらいが大きさ的に丁度よいです。

 

◇手の甲をマッサージする

手の甲側はあんまり筋肉があるっていうイメージはないかもしれませんが、

主に指を伸ばすような動きに関与しています。

 

指を触って、手首の方をたどっていくと、

手の甲のところにも指の延長のように骨があるのを感じることができます。

この指と指の骨の間にも筋肉があり、結構使われているところです。

 

なので、この手の甲のところの指の骨と骨の間に、反対の手の指をグっと入れて(やりやすい指で力はそんなに入れない程度に)

少し指を縦横にスライドさせるようにしてマッサージしてあげましょう。

 

◇指のマッサージ

片方の手を軽く開いて、反対の手の親指と人差し指の指先で

開いている手の指を挟んでギュッギュッと指を一本ずつマッサージしていきましょう。

 

トレーニングのやり方で改善する

◇トレーニングの器具を考慮する

前回の投稿でも紹介しましたが、手首のひねりが痛みを強くすることがしばしばあります。

なので手首をひねりが強くなってしまうオリンピックバー(ストレートバー)は手首が弱い方には不向きです。

 

そういった場合に使うのはギザギザの形をした、EZバーです。

見る方向にもよりますが、形状としてはアルファベットの「W」のようなかたちをしていて

「\」と「/」の形の部分(わかりにくくてすみません・・)を持つようにすると、

ストレートバーだったらバーを持った時に親指と小指が同じ高さですが

EZバーなら親指が上で小指側が下になります。

その分、手首のひねりが抑えられますので、手首の負担が減る。

 

◇強く握らない

手首回りを痛めてしまうときは指や前腕の筋肉を使い過ぎてしまっています。

握力測定を思い出していただければわかると思いますが、ギュッーものを握ると指を閉じる筋肉を強く使います。

それによって手首にも負担がきてしまいます。

グリップは基本的に「握る」というよりは、「持つ」という感覚のほうが良いと思います。

 

◇持ち方を変える

持ち方を変えるとは、手のひらのどの位置にダンベルを置くかになります。

できそうであれば一度試していただきたいのですが、バーベルに手のひらを上にむけて

手を軽く前に出して、人差し指から小指の付け根あたりに軽めのダンベルを乗っけてみてください。

おそらく前腕や手首まわりの筋(すじ)が頑張ってる感じが出ると思います。

ささえてるだけでも前腕が張ってきますよね。

 

そして今度は手のひらの真ん中あたり、親指付け根くらいの位置にダンベルを乗っけてみてください。

先ほどよりも手首回りの筋が頑張っている感じがあまりないと思います。

 

こういったように手のひらのどの位置で持つかでも変わってきます。

今回は手首回りや前腕を「使わないようにする」ことが正解になるので、

後者の「手のひらの真ん中、親指の付け根」を中心にした握りでのアームカールというのを試してみてください。

 

ちなみにこのブログを見ているときは

おそらくご自宅である可能性が高いと思いますので、

もし見ながら試したけどダンベル持ってないよーという方は、買い物袋などに少し重さを感じるものを入れて持ち手のところを手にかけてみるとダンベルの代用ができるかと思います。

 

休ませる勇気も必要

ケアの方法や、負担を減らすようなトレーニングで工夫できることというのをお伝えしました。

もちろんまだ痛くないし、痛みの予兆も感じないという人もいるとは思いますが、

ある日突然の痛みに長い間悩まされることもあります。

他人事だと思わずにケアをしていってください。ケアせずに今まで痛くなかったのは、ただのラッキーです。

 

僕自身も過去にケア不足で怪我に泣いた一人です。

みなさんにそうなっては欲しくありません。

思い切りやりたいのにやれないというのは身体の痛み以上に気持ちが辛いです。

やれないことが嫌で無理してやりたくなる気持ちも分かりますが、そういったときに割り切って患部を休ませてあげましょう。

その痛みは身体がそろそろ休ませてっていうサインですよ!

SOS信号を無視せずに、身体の声を聞きましょう!

 

 

最後に

もし怪我をしてしまっても、悩む必要はありません。

こういう時こそ、もう一度何がいけなかったのか見直すときです。

ただ痛めてしまって休ませているだけでは原因が改善されていませんので、いつかまた痛くなってしまう恐れがあります。

 

そうならないためにフォームを見直したり、ストレッチに力をいれたりするなど改善をしていきましょう!

怪我してブルーな気持ちで終わるか、ピンチをチャンスに変えるかはご自身で選んでください!

 

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