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ロコモティブシンドロームと筋トレの関わりについてお話しします

おはようございます!!
カリスフィットパーソナルトレーナーの仲井です!!

今回は『ロコモティブシンドローム』について書いていこうと思います!!
皆さん『ロコモティブシンドローム』って知っていますか?
通称「ロコモ」と呼ばれる症状になります。

このブログを読んでいる意識の高い方々でしたら、一定数の方は知っているかと思いますが、我々人間がいずれお付き合いしていかないといけない可能性が高い症状になります。
「いや、俺はトレーニングもしてるし、健康体そのものだから関係ないよ!!」
と思っている人こそ読んでもらいたい内容になっていますので、少し長文になっていますが是非読んでみて下さい!!

『ロコモティブシンドローム』って何??

ロコモティブシンドローム(通称ロコモ)とは、加齢に伴う筋力低下や関節機能低下などが原因で、自立して生活するのが困難になる状態のことをいいます。
中高年齢者の運動指導されている方や、パーソナルトレーニングを受けていらっしゃる方のご両親にとっては身近にある問題かと思います。トレーニング好きの方には「俺には関係ない」と思われるかもしれませんが、実はそうとは限りません。筋肉や骨はトレーニングでどんどん強くなります。しかし、運動に関わる部分は全てがトレーニングで強くなるわけではありません。新陳代謝のきわめて遅い「関節」は、強い負荷をかけて使い込むほど痛み、すり減っていく「消耗品」だからです。
筋トレによってむしろ老化を進めてしまう危険性もあることを見落としてはいけません。

メタボの次のキーワードは「ロコモ」

「メタボ」という言葉を知らない人はいないと思います。確か数年前に流行語大賞のトップ10くらいに入っていたくらいです。(調べると2006年みたいです)
メタボは生活習慣病リスクの高まる中年世代が主な対象となります。そして、そのメタボの先には、ロコモティブシンドローム、略して「ロコモ」と言う問題が控えています。
ロコモティブシンドロームとは、日本語で「運動器症候群」。骨、関節、筋肉といった身体を動かす「運動器」の加齢に伴う衰えによって、自立した生活が困難になり、要介護となる危険性が高い状態のことをいいます。
1947〜49年生まれの人たちを団塊の世代と呼びますが、この方たちは65歳前後になってきた6、7年前くらいからロコモという事が強く意識される様に思います。

ロコモの主要因は筋力低下と活動量低下

加齢に伴う運動器の低下として、具体的には①筋力②神経系③関節機能④骨強度、の衰えなどが挙げられます。以下に順に説明していきます。

①筋力

身体を動かす力を発揮するのは筋肉ですから、何よりもまず①筋力 がある程度強くなければ自分の身体を支えて元気に動くことができません。そして、この筋力の衰えはこの要素の「②神経系」「③関節機能」「④骨強度」にも大きく影響を与えます。ロコモ予防にはまず何よりも身体を動かす筋力が大事なのです。

②神経系

身体の状態を感知し、筋肉には運動指令を送る神経系の機能は加齢によって低下します。生活機能において、神経系の衰えの影響で最も問題になるのはバランス能力の低下でしょう。
バランス能力は、姿勢の状態を感知し運動制御を行う神経系、そして運動の能力を発揮する筋力、のトータルの能力で決まります。十分に強い筋力がある若いうちは、バランス能力は主に平衡感覚と運動制御を行う神経系の能力に強く依存します。
しかし、これが高齢者になると、筋力がバランス保持に不十分である場合が多いため、筋力がバランス能力に及ぼす影響が大きくなります。筋力トレーニングの実施によって高齢者のバランス能力が向上することが様々な研究で示されています。バランス能力は、神経系の機能維持も大切ですが、筋力の要素である程度補償できるといえます。
また、神経機能には、バランスをとりながら動作するような運動が機能向上のトレーニングになります。
歩行などの日常動作の多くはバランスをとりながらの動作になります。ダイナミックに動作するスポーツは言うまでもないでしょう。
ですから強い筋力を保ち、日ごろから元気によく動けること、スポーツを楽しむことが神経機能を向上のトレーニングとなり、バランス能力の維持に重要な働きをする事になります。

③関節機能

関節機能の低下で起こる代表的な症例として変形性膝関節症があります。背骨の椎間関節など他の部位でも問題は起こりますが、ここでは特に症例が多い膝関節を例に説明していきます。
変形性膝関節症の患者さんは、大腿四頭筋の筋肉を鍛えなさいとお医者さんから指導されることがよくあります。筋力や関節と一体どう関係しているのでしょうか?
1つは、着地動作時に筋力を発揮して関節にかかる衝撃を和らげれると言う要素があります。歩行などの着地動作では股関節、膝関節、足関節が屈曲しながらクッションのように衝撃を和らげています。この時、太腿前の大腿四頭筋をはじめとした下肢の筋群がエキセントリック収縮によるブレーキの力を発揮します。
筋力が低下するとこの緩働作用がうまくできなくなってしまい、膝を始め下肢の関節にかかる衝撃が大きくなります。着地の緩働作用に膝進展筋の大腿四頭筋が重要との考えから、太腿前を鍛えなさいと言われるのです。
筋力による関節の安定作用も関節の負担を和らげることに役立っています。着地の際に、膝を伸ばす筋肉と曲げる筋肉が同時に力を出すこと(共縮)で膝関節の回転軸がずれないように固定されます。これによって着地の衝撃により膝関節にかかるせん断力(横方向の力)を抑えてくれます。
また、関節をしっかり動かすこと、つまりよく運動すること、日常の活動量を保つ事も関節機能保持に重要です。
関節内は滑液という液体に満たされていますが、この滑液中のヒアルロン酸含有量は関節不動によって減ることがわかっています。ヒアルロン酸の減少は関節内の摩擦を増加させて骨の接触部分を摩耗させます。
関節の不動には関節を包む関節包や靭帯および周辺の筋肉を固くし、関節の動きを悪くすると言う要素もあります。関節障害の患者さんが医師から関節の柔軟性回復のためにストレッチを指導されるのはこの為です。

④骨強度

加齢により骨密度が低下します。骨粗しょう症が進むと転倒などによる骨折の危険性が高まります。高齢者における骨折は若年者よりも深刻です。
身体を支える足を骨折すると、しばらく自力で動くことができなくなり、不活動で筋肉が弱まってそのまま寝たきりになってしまうと言う事が多いからです。
骨粗しょう症に起因する背骨の圧迫骨折もよく見られる症状で、折れた骨片が背骨の後の神経根を圧迫すると痛みで日常活動が制限されることがあります。
運動しない生活を続けていれば、加齢による骨密度の低下は確かに避けられません。しかし、だからといって歳をとったら骨密度を増やせないと言うことではありません。骨密度は主に骨に強い力を与えることで増加しますので、運動負荷によって何歳からでも挙げる事が出来るのです。重たい負荷を上げ下げする筋トレを行うボディービルダーでは、年齢が高くてもキャリアが長いほど骨密度が高くなると言われています。高い筋力をつけるための筋トレで骨密度を高く保てるのです。
筋トレでなくても、ジョギングのような強い衝撃力の加わる運動でも骨密度を上げるのに有効です。日常の活動量を保つだけでも骨に力が加わる分、それなりの効果が期待できるでしょう。

以上、ロコモに関わる4つの衰えについて解説しましたが、筋力の維持がまず重要であり、高い筋力を保って日常から元気によく動けることが大切であることがよくわかったと思います。
ただし、筋力さえあれば、しっかり運動していれば、それだけで安心と言うわけには行きません。むしろ筋力を高める筋トレを激しくやりこみすぎること、ハードに運動しすぎることが逆に問題となる場合もあります。

関節は消耗品!仲井の愛するサッカー元日本代表中山 雅史選手を引退に追い込んだ膝関節障害

身体は、「筋肉」で「骨」を「関節」周りに動かすことで動作します。このうちの筋肉と骨は何歳になっても鍛えれば強くなります。しかし、関節は強くならないわけではありませんが、極めて回復が遅く、酷使することで消耗しやすい部位なのです。
その理由は関節内に血管がしておらず、極めて新陳代謝(構成組織の入れ替わり)が遅いからです。新陳代謝が遅いので、酷使されると回復が追いつかなくなってしまいます。そして痛めてしまうとなかなか治りません。「鍛えれば強くなる、伝えていればいつでも元気で若い時と変わらずいれる」と言う話は間接には当てはまらないのです。
自分は筋トレしているから、よく運動しているからどこもには関係ないとは限りません。どんなに筋力が強くて、骨も鉄のように硬くても、膝が痛くて歩けなければロコモです。膝が痛くて立っていられなければそれは立派なロコモなのです。
日本サッカー界の一時代を築いた、カリスフィットの仲井が愛して止まないゴン中山こと中山雅史選手がコンサドーレ札幌にて引退(一戦を退いた)のは2012年のことでした。立っていることさえ困難なほど両膝が悪くなっていたためです。中山雅史選手は体力的な衰えは感じてなく、膝さえ治ればすぐにでも復帰したいと発言していました。でも、どんなに筋力があっても持久力があっても立っていられないほど膝が悪ければ復帰はできません。
筋力、持久力ともに充分なだけに、引退しなければいけない状況を受け入れられない様子でしたが、関節機能の衰えも「体力の衰えの1つ」「老化の1つ」として受け止めなければいけないのです。

関節を労わろう 筋肉年齢20代、関節年齢70代?

繰り返しますが、関節は消耗品です。鍛えて強くすると言う考えではなく、回復のレベルを超えた無理な運動で酷使せずに労わる事を考えなければいけません。しっかり筋肉を鍛えて普段からよく動く事は関節にとってプラスに作用しますが、程度があります。関節の回復力を超えた負荷は関節の老化を進めます。
筋肉が強ければ動きの中での関節への衝撃をある程度和らげる事はできますが、負担がゼロになるわけではありません(筋力さえあればカバーできるとはいきません)。よく動かすことで、関節内の血液の潤滑を促進され、新陳代謝も多少活発になりますが、回復が遅いことに変わりはありません。やはり無理はきかないのです。
筋トレは高負荷を用いて行うものですので、関節への負担が当然大きくなります。スロートレーニングや、ストリクトフォームで軽めの負荷でもじっくり効かせる方法もあります。関節への負担を減らすので、こういった方法をうまく活用すると良いでしょう。
例えば、高負荷トレーニングをずっと続けるのではなく、『1ヵ月間高負荷で行ったら、次の1ヵ月は軽めで効かせる』といった具合に工夫をしながら関節に無理をかけすぎない工夫をすると良いでしょう。
また、筋トレ以外にも飛んだり跳ねたりするようなダイナミックな運動も関節には大きな負荷がかかります。ジョギングで膝や足首が痛むようなら、強い衝撃の加わらない自転車運動も併用するなどすると良いでしょう。靴もクッションの効いたものが選べます。
何より関節に痛みが出たら無理をしないことです。筋肉でカバーできる範囲は限られています。いつまでも、痛みなく快適に長く筋トレを続けられるように(ひどい場合はそれこそロコモになります)、関節を労わることを考えてください。
筋肉年齢、骨年齢は20代、でも関節年齢は70代では、やはり身体が若いとは言い切れないのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
ロコモティブシンドロームというのは「自分には関係ない」と思っていた方も自分にも関係してくることであると思っていただけたのでしょうか。

筋トレは健康に良いものであるのは確かですが、無茶な負荷や、関節への負担はロコモティブシンドロームの促進につながってしまうのです。
正しい知識と、正しい技術を持ってトレーニングをする事が大切なのです。
そんな、正しい知識と正しい技術を必要な場合は専門書を読んで勉強するのも良いですがパーソナルトレーナーに頼るのも良い選択肢かと思います。
パーソナルトレーナーの力が必要な時は是非カリスフィットへどうぞ!!(笑)

また、加齢に共なうトレーニングのヒントは下記の記事でも紹介しておりますのでよろしければ合わせてご覧になって下さい!!

何歳から始めるのが良い?筋トレは歳を取ってからでは遅い?〜その1〜

何歳から始めるのが良い?筋トレは歳を取ってからでは遅い?〜その2〜

では、また次回も皆様の為になるブログを書きますので、是非ご覧になって下さい!!

それでは、また次回もお楽しみに!!

仲井正英
\この記事の執筆者/愛知県豊橋市のパーソナルトレーニングジム
CHARISFIT(カリスフィット)

パーソナルトレーナー 仲井正英

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