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大胸筋の上部・中部・下部を鍛え分ける!ケーブルクロスオーバーのやり方と効果

おはようございます!! カリスフィットパーソナルトレーナーの仲井です!!

 

大胸筋を鍛えるトレーニングには、さまざまな方法がありますが、今回ご紹介する「ケーブルクロスオーバー」というトレーニングでは、大胸筋の上部・中部・下部のそれぞれの部位に的を絞って鍛えることができ、より均整のとれた胸筋をつくることができます。

 

また、大胸筋というと男性向けのトレーニング思われがちですが、女性にもさまざまなメリットがあることにも触れています。

 

この記事では、大胸筋を自在に鍛えられる「ケーブルクロスオーバー」について、詳しく解説します。

1. ケーブルクロスオーバーとは?

ケーブルクロスオーバーは、左右のケーブルを胸の前方に引き寄せる動きによって、おもに大胸筋を鍛えるケーブル・マシントレーニングです。腕を動かす軌道が固定されないため、さまざまなバリエーションでターゲットとなる筋肉を絞り込み、トレーニングできるメリットがあります。

 

また、ケーブルクロスオーバーでは、三角筋(前部)や前鋸筋(ぜんきょきん)にも負荷がかかるため、上半身にボリュームをつけたい方には、おすすめのトレーニングです。

2. ケーブルクロスオーバーで鍛えられる筋肉

ケーブルクロスオーバーでは、次のような筋肉を鍛えることができます。

2-1. 大胸筋(上部・中部・下部)

大胸筋は、胸の表面全体を広く覆う大きな筋肉で、細かく分けると、上部、中部、下部の3つの部位で構成されています。腕を横から前方に振る動きのほか、上腕を内側にひねる動きをするときなどに働く筋肉です。

 

【大胸筋の部位】          【大胸筋の構造(上部・中部・下部)】

 

   

 

2-2. 三角筋(前部)

三角筋は、前部、中部、後部で構成されており、とくに三角筋の前部は「フロントデルト」とも呼ばれ、肩にボリュームをつけ、迫力のある上半身をつくり出します。また、肩幅を広げ、逆三角形のたくましい身体のラインをつくります。

 

【三角筋】

 

2-3. 前鋸筋(ぜんきょきん)

前鋸筋は、肋骨と肩甲骨をつなぐインナーマッスルです。肩甲骨を安定させる働きや左右の肩甲骨を開いたり、腕を前方に押し出す働きを補助する役割があります。

 

また、前鋸筋の「鋸」はのこぎりという意味で、肋骨の骨の一本一本に筋肉がつき、のこぎりのギザギザの刃に似ていることが名前の由来です。

 

【前鋸筋】

3. ケーブルクロスオーバーの正しいやり方 

ケーブルクロスオーバーのトレーニングには、さまざまなバリエーションがあります。ここでは代表的な3つのトレーニング方法について解説します。

2-1.ミッド・ケーブルクロスオーバー (腕を水平に動かすやり方)

① ケーブルの滑車(プーリーともいう)を肩と同じくらいの高さに設定します。マシンに背を向けて左右のケーブルの真ん中に身体の中心線がくるようにポジションをとります。

 

胸を張って肩甲骨を寄せ、ひじを少し曲げた状態で、腕と床が平行になるように腕を後方に引きます。利き足を前に出し、腰を少し落として身体の安定性とバランス保ちましょう。この状態がスタートポジションです。

② ひじを少し曲げた角度でキープしながら、左右の手を胸の前で合わせます。腕を閉じた状態で1~2秒キープして筋肉に負荷をかけます。

③ この状態から、負荷が抜けないように、ゆっくりとスタートポジション(①)に戻します。腕を戻すとき両腕を後ろに引きすぎると、大胸筋に負荷がかからないため、負荷が抜けない程度の位置に戻しましょう。この動作を繰り返します。

 

【動画で確認!】動画ではトレーナーの身体の動きだけでなく、「動作の速さ」「動きのタイミング」にも注目して、トレーニングに役立ててください!

 

 

■ ケーブルクロスオーバーでは、フィニッシュで両手を交差させるバリエーションもあります。大胸筋により高い負荷をかけてトレーニングできるメリットがあります。

   

2-2.ハイロー・ケーブルクロスオーバー (腕を上から下に動かすやり方)

① 滑車を位置を頭の高さくらいにセットします。腕はミッド・ケーブルクロスオーバーよりも少し高い位置に上げ、スタートポジションをとります。

② 腕を高い位置から斜め前方へ下ろすように動かし、左右の手をお腹の下(腰の前)くらいの位置になったところで合わせます。この状態で1~2秒キープしてから、負荷が抜けないように、ゆっくりと腕をスタートポジションに戻します。この動作を繰り返します。

2-3.ローハイ・ケーブルクロスオーバー (腕を下から上に動かすやり方)

① 滑車の位置をマシンのもっとも低い位置に設定します。腕はミッド・ケーブルクロスよりも低い位置に下げ、スタートポジションをとります。

② 腕を低い位置から斜め上にあげるように動かし、左右の手が肩の高さくらいの位置になるところで合わせます。この状態で1~2秒キープして、負荷が抜けないように、ゆっくりと腕をスタートポジションに戻します。この動作を繰り返します。

3.ケーブルクロスオーバーで得られる効果

ケーブルクロスオーバーのトレーニングでは、次のような効果が得られます。

3-1.厚い胸板が手に入る!大胸筋の上部・中部・下部を目的別に鍛えられる!

大胸筋を鍛えるメリットは、一言でいえば、大きく厚い胸板が手に入るということです。それに加えて、大胸筋は、上部、中部、下部に分けられ、それぞれの部位を鍛えることで、鍛える目的に合わせてピンポイントで効果を得ることができます。

 

それぞれの部位を鍛えることで得られる効果は、次のとおりです。

◆ 大胸筋上部 (ローハイ・ケーブルクロスオーバー)

大胸筋上部は、鎖骨の下あたりの部分を指し、ここを鍛えることで鎖骨の下のくぼみを盛り上げ、華奢な印象をなくし、大胸筋の見た目に迫力をつけることができます。

 

◆ 大胸筋中部 (ミッド・ケーブルクロスオーバー)

大胸筋中部は、横から見たときのアウトライン(輪郭)に大きく影響する部分です。弧を描くようなふくらみが形成されると、筋肉の立体感が引き立ちます。

 

◆ 大胸筋下部 (ハイロー・ケーブルクロスオーバー)

大胸筋のアウトラインをつくる上で、もっとも重要な部位です。大胸筋自体が小さくても、この部分が大きければ、大胸筋の面積が増えて全体が大きく見えるようになります。

 

このように、ケーブルクロスオーバーでは、トレーニングのバリエーションによって、鍛える部位にターゲットを絞ったトレーニングができます。

 

また、大胸筋は身体の前面の目につきやすい部分にあるため、比較的、効果を実感しやすい筋肉といえます。それぞれの筋肉がしっかり鍛えられているか、確認しながらトレーニングしていきましょう。

 

3-2.がっしりした肩幅をつくる!なで肩の解消も!

ケーブルクロスオーバーでは、肩にある大きな筋肉「三角筋」も鍛えられるため、がっしりしたボリュームのある肩をつくり、肩幅を広くする効果があります。また、肩の筋肉を大きくすることで、なで肩の解消にもつながります。

 

3-3.女性のメリット① バストラインを美しくする!

大胸筋はバストの土台になる筋肉です。大胸筋が弱いとバストの重さを支えられず、バストが垂れ下がってしまいます。大胸筋を鍛えることでバストの位置を高く保ち、垂れないバスト、美しい形のバストをつくることができます。

 

また、大胸筋は内側からバストを盛り上げる働きがあるので、バスト全体のボリュームアップにもつながります。ふっくらとした形の良いバストをつくることができるでしょう。

 

3-4.女性のメリット② 引き締まった美しいデコルテをつくる!

スッキリとしたデコルテラインは、女性の憧れといえます。「デコルテは顔の一部」といわれるように、周囲の人への印象を良くする重要な部位です。

 

ハイロー・クロスオーバーやミッド・クロスオーバーで、大胸筋の中部や下部を鍛えることで、鎖骨の部分が浮き出し、スッキリとした美しいデコルテラインをつくることができます。ただし、ローハイ・クロスオーバーでは、鎖骨の下の筋肉を盛り上げてしまうため、控えたほうが良いでしょう。

 

3-5.基礎代謝がアップ!痩せやすいカラダに!

大胸筋は、全身の筋肉のなかでも筋繊維が密集している部分のため、大胸筋を鍛えることで、基礎代謝を効率的に高め、痩せやすい身体づくりにつながります。ボディラインをカッコ良く見せるだけでなく、ダイエットにも効果があるといえます。

 

なお、1日の総エネルギー消費量のうち、約60%は基礎代謝が占め、基礎代謝のうち21.6%を筋肉が占めています。筋肉を鍛えることで痩せやすい身体になっていくのです。

 

【1日の総エネルギーの消費の内訳】      【基礎代謝の内訳】

  

(画像出典:「株式会社 明治」ホームページより)

4.ケーブルクロスオーバーの重量回数・頻度

ケーブルクロスオーバーに限らず、筋トレを行う際には、負荷をかける重量や回数を適切に設定することが大事です。

 

ケーブルクロスオーバーでは、1回の運動で8~12RM(8~12回で限界となる重さ)で、3セット、セット間のインターバル(小休憩)は、1~2分に設定すると良いでしょう。

 

また、重量の目安は、初心者の方の場合、男性は10kg、女性は5kgからスタートすることが多いので参考にしてください。

 

また、トレーニングの頻度は、初心者の方では週に1回、筋トレに慣れてきた方や上級者の方は週に2回を目安にトレーニングすると良いと思います。

 

筋トレは、重量が重ければ重いほど良い、回数や頻度が多ければ多いほど良い、というわけではありません。トレーニングの目的や身体の状態によって、適切な重量や回数を適切に設定し、正しいフォームを身につけたうえで行うことが重要です。

5.ケーブルクロスオーバーの効果を上げるポイント・注意点

ケーブルクロスオーバーは、ひじや肩を痛めにくく、初心者でも比較的簡単、安全に行えるトレーニングです。しかし、効率的に大胸筋を鍛えるためにはポイントを押さえながら行うことが大事です。

ここでは、効果を高めるためのポイントや、ケガを防ぐために気をつけるべき注意点を紹介します。

5-1.勢いよく戻さない  

ケーブルクロスオーバーでは、ケーブルを戻す動作のとき、ケーブルが収縮する力がかかるため、勢いよく腕を戻してしまう方が多くいます。これでは筋肉への負荷が減り、効果的に鍛えることができません。

ケーブルを戻す際にも、筋肉に負荷をかけながら、ゆっくりと動作することを意識しましょう。

5-2.腕の力でケーブルを引かない

腕の力でケーブルを引こうとすると、肩が上がったり、上腕二頭筋に負荷が逃げたりするため、大胸筋を鍛える効果が半減します。また、肩や腰に無理な負荷がかかり、ケガにつながる恐れもありますので、肩を下げるイメージで、「胸」の力だけでケーブルを引くようにしましょう。

5-3.正しい呼吸法を意識する

ケーブルクロスオーバーをはじめ、筋トレを行う際は、正しい呼吸法を意識することが大事です。力を入れたときに呼吸を止めてしまったり、間違った呼吸法でトレーニングしたりすると、筋肉に十分な酸素が届かなくなり、効果が薄れてしまいます。

 

ケーブルクロスオーバーの場合、ケーブルを引っ張るとき(筋肉が収縮するとき)に息を吐き、ケーブルを元の位置に戻すとき(筋肉が弛緩するとき)に息を吸うとトレーニングの効果が高まります。

おわりに……筋トレで  “10歳若い” といわれるあなたに!

筋力は20歳ごろをピークに1年で1%ずつ低下するといわれています。筋力が落ちていくと、しだいに姿勢が悪くなり、老けた印象に見られるだけでなく、若さを保つ成長ホルモンの分泌が減少するため、科学的にもカラダの若さが失われていくことが分かっています。

 

運動と筋の生理学の第一人者である福永哲夫先生(東京大学名誉教授)は、「貯筋のすすめ」というお話をよくされています。「お金は使ったら減るけど、筋肉は使ったら貯まる」「お金は足りなければ借りることもできるが、筋肉は他人から借りることはできない」という金言です。

 

筋肉を減らさない唯一の方法は、“筋肉を使うこと”です。筋力トレーニングをしっかり行い、今のうちから筋力を貯めておけば、若々しさを保ち、将来10歳若いといわれるカラダやスタイルを維持することもできるといえるでしょう。

 

ご興味やご相談などがありましたら、当ジム「カリスフィット」まで、お気軽にご連絡ください。専門のトレーナーが、あなたにもっとも効果的なトレーニング法をアドバイスいたします!

また、過去の記事にも効果的な大胸筋の鍛え方について触れていますので、よろしければ合わせてご覧ください!!

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今日はここまでにします!!
それでは、本日も健康的で素晴らしい1日を!!

 

 

仲井正英
\この記事の執筆者/愛知県豊橋市のパーソナルトレーニングジム
CHARISFIT(カリスフィット)

パーソナルトレーナー 仲井正英

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