上半身(胸・肩・腕)を鍛えるディップス!効果的な回数・加重方法を解説
おはようございます!! カリスフィットパーソナルトレーナーの仲井です!!
女性向けWEBメディア「マイナビウーマン」が行ったアンケートによると、「胸板が厚いがっしりした体格の男性と、華奢でしなやかな身体の男性なら、どちらが好みですか?」という女性への質問に対して、次のような結果が得られました。
- 胸板が厚いがっしりした体格の男性 63.3%
- 華奢でしなやかな身体の男性 36.7%
このアンケートによれば、実に6割以上の女性が、胸板が厚い男性のほうが好み、と答えています。やはり女性は、胸板が厚く、たくましい男性を好むようです。
また、最近では「細マッチョ」と呼ばれる、身体の線は細い(体脂肪が少ない)けれども、筋肉がしっかりついている、という体型の男性を好む女性も増えているといいます。
いずれにしても、ムダな贅肉がついているよりは、胸板が厚く、筋肉がしっかりついた体型のほうが、男性としての魅力を高めることに間違いはないようです。
そんな厚い胸板を手に入れるトレーニングは、数多くありますが、今回は「ディップス」というトレーニングをご紹介したいと思います!
1.ディップスとは?
ディップスは、2本の平行なバーにつかまり身体を持ち上げるトレーニングで、「上半身のスクワット」とも呼ばれます。
自分の体重を使って、身体を押し上げる多関節種目(2つ以上の関節を使い、複数の筋肉を鍛える種目)の一つで、肩関節の動きを中心として、おもに大胸筋(下部)や三角筋(前部)を鍛えます。
また、肩甲骨やひじの関節も同時に動かすため、僧帽筋(下部)、前鋸筋(ぜんきょきん)、上腕三頭筋のトレーニング効果も得られます。
ディップスは、運動のボリューム(筋肉の仕事量)が大きく、伸張位(筋肉が長く伸びた状態)で大きな負荷がかかるため、筋肉を大きくする刺激が強く、筋肉を肥大させる効果を得られやすいトレーニングといえます。
また、かなりハードなトレーニングでもあるため、アスリートや格闘家などに愛好家が多い種目です。
2.ディップスで鍛えられる筋肉の部位
筋トレの種目では、それぞれのメインターゲットとなる筋肉を「主導筋」と呼びます。
また、主導筋とともに筋肉の動作に加わるものの、主導筋よりも関与が小さい筋肉を「協働筋」と呼びます。主導筋を「メイン」、協働筋を「サブ」と考えると、鍛えられる筋肉の部位が分かりやすくなると思います。
ディップスの場合は、主導筋(メイン)が「大胸筋(下部)」、「三角筋(前部)」、協働筋(サブ)が僧帽筋、前鋸筋、上腕三頭筋となります。
メイン: 【大胸筋(下部)】 【三角筋(前部)】
サブ: 【僧帽筋】 【前鋸筋(ぜんきょきん)】 【上腕三頭筋】
私たちパーソナルトレーナーは、あなたがどの筋肉をどのような目的で鍛えたいのか、メインとサブの筋肉を考慮しながら、あなたに最適なトレニング種目を選択しています。
3.ディップスの正しいトレーニング法
ここではディップスの正しいトレーニング法を解説します。なお、通常のディップスは、比較的ハードなトレーニングのため、初心者の方には難しい場合もありますので、初心者向けのバリエーションも取り上げています。
3-1.通常のディップス
① 両手でバーを持ち、身体を浮かす
両手で両サイドのバーにつかまり、ひじを伸ばし、身体を浮かせます。その状態から、ひじを少し曲げて胸を張り、ひざを後ろ側に曲げて、上体を前に傾けます。
② 前傾をキープしながら身体を沈める
上体を前傾させたままひじが90度より深く曲がり、上腕部が水平の角度を超えるくらいまで、身体を下ろします。この状態がボトム(負荷が最大となる)ポジションです。
③ ひじを伸ばして身体を持ち上げる
ひじを伸ばしてスタートポジション(①)に戻ります。ひじが伸び切ると負荷が抜けてしまうため、ひじが伸びる寸前で身体をキープしましょう。
【動画で確認!】ここまでの動作を動画で確認してみましょう!
3-2.ディップスの注意点 手首を反らさないこと
前腕の延長線上にバーを持つようにすると、力を入れやすくなります。手首が返ると関節に体重の負荷がそのままかかるため手首を傷めてしまうため注意しましょう。
【◎OKポーズ】 【×NGポーズ】
4.ディップスの効果を高める5つのポイント!
ここではディップスの効果を高めるポイントについて解説します。
4-1.前傾姿勢をしっかり保つ
上体を前傾(前のめり)に保ったまま身体を沈めることで、大胸筋(特に下部)の筋肉が強く伸ばされ、大胸筋を鍛える効果が高まります。回数を多くするよりも、大胸筋にしっかりと負荷がかかっていることを意識して行ったほうが、少ない回数でもしっかりと鍛えることができます。
また、ひざを90度程度曲げ、重心を身体の中心にとることで、身体を前傾しやすくなり、バランスも安定します。
4-2.身体を沈めるときに、肩をすくめない
身体を沈めるときには、腕に全体重がかかるため、つい肩をすくめがちになります。肩をすくめると肩の可動域が狭くなり、三角筋に十分な負荷がかからなくなります。
身体を下ろすときは肩をすくめないようにしながら、肩甲骨を内側(背中の中心)に寄せ、肩をしっかり開きましょう。
4-3.身体はゆっくり動作する
身体を上下に動かすときは、できるだけゆっくりと動かしましょう。動作をゆっくり行うほど筋肉に高い負荷がかかり、集中的に筋肉を鍛えることができます。
回数を多くしようとすると、身体を下ろす深さが浅くなり、あまり効果が得られません。骨や筋肉を動かせる可動域を最大限に動かして行いましょう。
また、ディップスに限らず、トレーニングの動作をゆっくり行ったり、最大負荷がかかる状態のキープ時間をできるだけ長くしたりして行うことを、「スロートレーニング」(スロトレ)といいます。
スロートレーニングでは、負荷が軽いトレーニングでも、負荷が大きいトレーニングで回数が少ない場合でも、「発揮張力」を維持する(筋肉の力を抜くことなく、終始、力を入れた状態で動作する)ことで、筋肥大・筋力アップの効果を高めることができます。
4-4.腹筋にも力を入れる
ディップスのトレーニングは、腕の力に意識が向きがちですが、お腹にもしっかりと力を入れ、身体がふらつかないようにしましょう。身体のバランスが整わないと、ターゲットとなる筋肉をしっかり鍛えられなくなります。
4-5.トレーニング中は呼吸も意識を!
正しいフォームで行うことはとても大事なのですが、フォームばかりに気を取られていると、呼吸が止まったり、浅くなったりして、筋肉へ酸素が十分に届かなくなります。
ディップスの場合、身体を下ろすときにゆっくりと息を吐き、身体を上げるときにゆっくり息を吸うような意識で呼吸すると良いでしょう。
5.通常のディップスができない場合
ディップスは「上半身のスクワット」と呼ばれるように、上半身へかかる負荷の強度がかなり強い種目です。そのため、初心者の方や筋力、体力が弱い方では、通常のディップスができない場合も少なくありません。
こうした場合、次のような方法で、強度を軽減して行う方法もあります。
5-1.パーソナルトレーナーが補助につく
ディップスを行うときに、トレーナーが両足を支えて持ち、トレーナーの補助の手を台にして、蹴るようにしながら、上半身を上げていく方法でトレーニングします。
5-2.足のつま先だけを床につける
前述(5-1)の方法が上手くできない場合は、バーの位置を下げ、まずは足のつま先だけを床につけて、フォームを安定させながら、ディップスの動作を行います。
5-3.足を床にしっかりつけて行う
さらに、(5-2)ができない場合は、両足をしっかり床につけた状態で、できる限り脚の力を抜きながら身体を下げ、身体を上げるときには、適宜、脚の力を借りながら上半身を上に押し上げるように動かします。こうすることで、自重(自分の体重)よりも負荷を軽減させてトレーニングができます。
5-4.別のトレーニングに替える
ここまで負荷を下げてもディップスができない場合は、あえてディップスにこだわらず、違うトレーニングに移行したほうが良いでしょう。代替のトレーニングとして、よく取り入れられるのが、同じ大胸筋(下部)がターゲットとなる「ケーブルクロスオーバー」(下の写真)というマシンでのトレーニングです。
6.ディップスの基本的な回数・セット数
ディップスは、筋力トレーニングの中でも、可動域が大きく、筋肉にかかる負荷が高い種目です。まずは、目標として10回×2セットが基準となります。
とはいえ、実際のところ、初心者の方やそれほどトレーニングを積んでいない方で、ディップスを10回できる方はほとんどいません。初めのうちは、きっちりとしたフォームで2回できれば上出来といえます。
そのため、初心者の方では補助付きで5回×1~2セット程度を目指してトレーニングを始め、慣れてきたら、補助をつけずに5回×2セットを目標にトレーニングを継続することをおすすめします。
7.ディップスで得られる5つの効果
ここでは、ディップスで得られる効果について解説します。
7-1.厚い胸板は、やっぱり女性ウケが良い!
ディップスで得られる効果は、何と言っても、厚い胸板が手に入るということでしょう。厚い胸板は、男性にとって永遠の憧れともいえます。
また、女性から見ると、「男らしい」、「力強そう」、「頼りがいがありそう」などと、本能的に好印象を受け、心を惹かれるようです。
もし、あなたが、女性にモテたい、彼女がほしい、女性から好印象で見られたい、というのであれば、胸板の厚さで女性にアピールしてはどうでしょう?
7-2.男性からも良く見られる!
厚い胸板は、女性に対して良い印象を与えるだけでなく、男性自身にとってもメリットがあります。
- 胸板が厚い男性は、ほかの男性に対しても、強く、たくましい印象を与えます。「あいつは何か、すごそうだ」、「これだけの筋肉を鍛えるには、相当トレーニングしているな」といった、男性からも一目置かれる存在となるはずです。
- 厚い胸板を鍛えるトレーニングに耐え、継続する過程を経ることで、「自分はこれだけ頑張った(頑張っている)」と、自分に自信が持てるようになります。
- 特に社会人の方の場合、忙しい中でも、定期的にトレーニングを続けていることで、自己管理能力が高い人だと周囲の人に印象づけられます。
こうしたことから、男性同士の関わり合いの中でも、優位な存在として認められるでしょう。
7-3.女性にもさまざまなメリットがある!
女性の場合、「痩せること=美しくなること」と、考えがちですが、出るところが出て、引っ込むところは引っ込む、といったメリハリのあるボディこそ、健康的で美しく、若々しい「真の美」といえるでしょう。こうした美しさを得るには、やはり筋力トレーニングが必要です。
言い換えれば、筋力を鍛えることで、ただ痩せているだけでない、もう一段上の「パーフェクトボディ」を手に入れることができるといえます。
特に、ディップスにおいては、女性に対して次のようなメリットがあります。
- 大胸筋は、バストを引っ張り、引き締める効果があるため、バストのたるみを防ぎ、美しいバストラインをつくることができます。
- 大胸筋は鎖骨(鎖骨内側)から上腕(上腕骨前面内側)をつないでいるため、鎖骨をきれいに見せ、美しく健康的なデコルテをつくることができます。ローブデコルテなど、肩や胸元の上部を露出したドレスを着こなすことも、できるようになるでしょう。
- ディップスで鍛えられる上腕三頭筋は、二の腕の下にあるいわゆる「ふりそで」と呼ばれる腕のたるみを引き締め、美しい二の腕をつくります。
7-4.見た目を良くするだけでない!生活習慣病の予防・改善
ディップスでは、大胸筋、三角筋、僧帽筋、体幹の筋肉など、上半身の多くの筋肉が肥大、発達するため、基礎代謝が向上し、余分な脂肪を減らす効果にもつながります。そのため、メタボリックシンドローム(メタボ)の予防や改善にも一定の効果が期待できます。
なお、厚生労働省では、メタボリックシンドロームの診断基準を次のように定めています。
“日本では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm・女性90cm以上で、かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れると、「メタボリックシンドローム」と診断されます。”
(引用:厚生労働省HP「メタボリックシンドローム診断基準」)
ディップスをはじめ、筋力トレーニングを継続することは、見た目が良くなるだけでなく、脂肪を減らし、高脂質、高血圧、高血糖(糖尿病も含む)の予防や改善など、日常の健康管理においても、有益な効果を得られるといえます。
7-5.身体能力のアップ
最近では、若い方はもちろん、中高年の方でもフットサルやボルダリング、フルマラソン、登山など、瞬発力や筋力、持久力を必要とするスポーツやレジャーに挑戦する人が増えています。
トレーニングにより、筋肉を肥大させることは、筋力アップにつながり、筋力アップはスピードアップにつながります。
ディップスは大胸筋をはじめ、上半身の筋肉を肥大させることができるため、難易度の高いスポーツなどに挑戦したり、スコアを伸ばしたり、とアクティブで充実した日常生活を送れるようになるでしょう。
おわりに
大胸筋は、身体の中でも大きな筋肉で、トレーニングによって効果が得られやすい部位といえます。また、鏡をみれば筋肉の付き具合が、自分でも確認できるため、見た目の変化がわかりやすいという特徴があります。
トレーニングの成果が目に見えて実感できれば、「もっと鍛えていこう!がんばろう!」と、あなたのモチベーションも上がるはずです。
筋トレは、「つらい、きつい」といったイメージがあるかもしれませんが、成果が見えれば、続けて頑張れるのではないでしょうか。その点では、ディップスは、初心者から上級者まで、どなたでも一度はやってみる価値がある、おすすめのトレーニングだと思います。
ご興味やご相談などがありましたら、ぜひ一度、当ジム「カリスフィット」まで、お気軽にご連絡ください!
また、過去の記事にも、効果的な大胸筋のトレーニングについても触れていますので、よろしければ合わせてご覧ください!!
今日はここまでにします!!
それでは、本日も健康的で素晴らしい1日を!!